VOICE

カセットテープも、MDも、CDも、ICレコーダーもなかった昔の話。


オヤジがオープンリールのテープレコーダー買って来た。


初めて自分の声を録音して、再生した時、
それが自分の声だと思えなかった。機器の性能が悪いのだと思った。


のだが、周囲の者によると、紛れもなくオレの声だという。


その時初めて、


いつも聞いている自分の声は、他人に聞こえている自分の声とは全然違うのだ。


ということを知った。驚いた。


テープレコーダーのスピーカーから流れる自分の声は、


かなりがっかりな声だった。


自分としては、今でも自分の声を気に入っちゃいないのだが、
時に、「いい声ですね」とか「声が好き」とか言われる。


で、がっかりな声のオレ、ちょこざいにも人前で歌ったりがなったりしている。


みっちゃんとスタジオ入って、みっちゃんの声聴くと、


素敵過ぎる。心地良い。
きっと声からアルファ波とやらが出ているに違いない。


精神的にちょいとくたびれモードだったが、


元気が出たわん。


素敵すぎる。


オレも、自分の声を好きにならなきゃな。
でなきゃ、人様を気持ちよくするよな歌声、出ないだろ。うむ。