万能虎油

ゆんべは何とも覚えぬリンパが、今朝はでっかく腫れたるぞや。ぞやぞや。
あれに見え候ふは、粟津の松原と申し候。君は、あの松の中へ入らせ給ひて、静に御自害候へ。


と言われても、自害など真っ平御免なのだけんども、


朝目覚めたら、リンパ節なのか耳下腺なのか判然とせぬが、左耳の下がぼっこり腫れておる。
ギョギョーム! 風邪か? はたまたインフルか? と、おののいた。


風邪薬、飲んでおこうと思ったが、買い置き払底しておって、鎮痛解熱薬でもいーやと思ったが、それも見当たらぬ。
仕方ないから、ビタミンC含有したるところの「飴ちゃん」舐め舐め、肩もパンパンに張っているので、首肩に「タイガーバーム」塗りたくって出勤。職場でも塗り塗り塗り塗りくりくりくりくり。


してたら、熱発するでなく、腫れも幾分マシになりまちた。まだ、予断は許しませんのですが。


どこのウチにも「救急箱」というものあると思うのだが、「常備薬」ってのあると思うのだが、


ま、大抵の場合、
「風邪薬」=「ルル」とか「パブロン」とか。我が家は基本「葛根湯」。
「頭痛薬」=「バファリン」とか「ノーシン」とか。ウチは頭痛持ちいないから常備しとらん。
「腹痛の薬」=「正露丸」とかさ。ウチは専ら「整腸剤」=「ビオフェルミン」とか。


で、今朝のウチの薬箱、「ビオフェルミン」と「湿布薬」と「絆創膏」と「日焼け止め」(こりゃ薬じゃねーな)くらいしか入ってなかった。あとは、「メンソレータム」と「タイガーバーム」と「ムヒ」。


ひと昔前なら、「赤チン」とか「ヨーチン」とか入ってたんだが、「赤チン」は水銀がどーたらで市場から消え、「ヨーチン」も人気なく、「マキロン」とか「ムヒ」に取って代わっておる。


そんな中、昔っから今に至るまで、不思議とどこのウチにもあるのが、「メンソレータム」or「メンターム」。あるでしょ?


こやつらの効能、
メンソレータム」が、ひび、しもやけ、あかぎれ、かゆみ だけしか謳ってないのに、
メンターム」は、
すり傷、やけど、しもやけ、虫さされ、そり傷、切傷、打撲傷、神経痛、かゆみ、靴ずれ、ひび、あかぎれ、筋肉口イマチス、皮膚炎症 と、ほぼオールマイティ。


成分ほとんど一緒なんすけど……。恐るべし近江兄弟。


取りあえず、痛し痒しに「メンタム」塗っておけとゆーわけね。


なのですが、世間には、「メンタム」と「タイガーバーム」、一緒くたにしている人いたりするわけで、
擦り傷切り傷に、「タイガーバーム」塗りたくったりしてはりまして、


当然、「どっひゃーっ!」と、「肌に染みいる虎の声」だったりするわけなのですが、


「効き目の分だけ、染みるんじゃ〜!ここはグッと堪えてなんぼじゃ〜!」と、脂汗流して我慢していたそーで、


それは、「因幡の白ウサギ」というものであるのだが、本人は至って真剣。


その愚かな人が誰かと申しますと、


元 "The Monkey Business"リードギタリストで、現 "THE SiX BULLETTS"リードギタリストの、


トロ=小鳥くんであります。


以上、彼がいかにお茶目なヤツかを語る上で欠かせないエピソードでした。


彼がもし向後、結婚などして、結婚式やら披露宴を執り行って、オレがその場に呼ばれて、スピーチとか芸をやれと頼まれることがあったら、必ず話してやろうと思っていたのだが、


そういう機会はなかなかなさそうなので、ここで披露。


あ〜、まだリンパぐりぐりしてるわぁ。タイガーバーム塗ろ。
万能やし……。