Bye Bye

"The denkibran"の倉坂くんが、ブログに「別れの挨拶」のこと書いてるの読んでて思い出した。

大阪の中小町工場が建ち並ぶ下町の、ビンボー人の小倅だったくせに、中学から男子校に進んだオレ、
少数の例外はあっても、周囲はいわゆる「えーとこのお坊ちゃん」。上品なヤツらか、地方色漂う田舎モン。

語尾に必ず「アホか」を添付し、「しばくどボケ」などようの言葉を日常茶飯に連発していたオレは、柄の悪さで有名だったが、
それでも、そーゆー連中の中にあって、知らず知らずにソフィスティケートされていっておったのだろ。

ガッコに女っ気なく、地元のツレとは没交渉

たまに下校時に出くわす、「お嬢さんガッコ」に通学しておった小学校の同級生と会話を交わすくらいが心のオアシスだった。

そんな彼女と並び歩いて何話したか、なぁんにも覚えとらんが、

別れ際、「さよなら」と口にしたオレに対して、彼女は手を振り「ばいばい」と言いやった。
そのほんの数秒間の空気と光景が妙に記憶に残っている。

オレの口にした他人行儀な「さよなら」は、虚しく響いた。
彼女の「ばいばい」の方が、オレの「さよなら」の数十倍温かいよーに思った。

次に会った時は、「ばいばい」と言って別れようと思った。
が、次に会った時も、なぜかオレは「ばいばい」を口にできなかった。

そして、一度も「ばいばい」を言わないまま、彼女とは会わなくなった。

さよならは別れの言葉じゃなくて再び会うまでの遠い約束♪ っての「嘘」だな。

別れる時は、「さよなら」よりも「ばいばい」の方がいーと思う。
「またね」とか「んじゃ」でもいーのかも知れませんですが……。